地震に対するITサービス産業への影響

先日発生した地震によってどのような影響が出ているかを書いてみます。

  • 海外から来ているエンジニアの離脱による開発への影響

開発現場にいらっしゃる海外からの技術者は、中国から来ている人がとても多いです。彼らにとっては、異国での大震災という事で多大な恐怖を感じているようで、帰国の申し入れが頻発しているようです。(契約上の問題も引き起こしているようですが。)現在開発現場では、大規模開発ほど、顧客の予算感に合わせるために、中国人技術者が非常に多く活躍しているのが現状です。彼らが帰国してしまうと、開発納期に多大な影響があります。外国人エンジニアを使用する時には災害時に大きなリスクがあるようです。

  • 計画停電⇒交通網の混乱⇒早めの帰宅時間設定

(まともな会社であれば、)社員の健康を最優先し、帰宅難民化させないように早めに帰宅時間を設定させます。(うちの会社の場合は個人の裁量で帰宅してよいという事になっています。)ただでさえ、夜21時、22時まで毎日かかっている作業を夕方に切り上げなくてはならなくなるだけで、大きなロスが発生しています。連日の満員電車で体調を崩す方も増えているようです。

顧客の拠点が多少離れていると、計画停電対象区内に位置している場合があり、行く事もできないといった事があります。プロジェクト中には、重要な取り決め(ルール決め、運用方法等)を多く顧客と打合せる必要があるのですが、それらがすべてキャンセルされてしまうと、一向に物事が進まなくなります。

  • サーバの復旧

サーバの電源を福島から供給しているケースもあるようで、それらがストップした事によって、UPSが正しく作動していれば問題ないのですが、落ちてしまっているPCを復旧する作業が発生しています。が、それほど多くの作業が発生しているものではないようです。



上記影響は、納期・品質・コスト面で影響が多少なりとも出るのではと思います。
顧客には素直に伝え、震災による遅延に対するプロジェクトリカバリープランを早々に提案する等の取り組みが必要になると思います。


現状3月末ですので、プロジェクトが収束していく(売上げが立つ)方が多いと思いますので、3末決算への影響は限定的だとは思いますが、今走っているプロジェクトについては、想定外のコストが発生する事は必死で、来上期の実績に影響が出てくるものではないかと予想します。